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小山内 園子『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』

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新刊書籍

NHK出版
2024.11.11
240ページ
四六判

物語のなかの〈弱さ〉が、読む人の心に光を灯す

どの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから――。

著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。 〈弱さ〉とは、自らの意志とは関係なく選択肢を奪われた状態のこと。その視点で、『82年生まれ、キム・ジヨン』をはじめとする多彩な13の作品を読み解きながら、そのメッセージを探り、魅力を掘り下げます。一つひとつの物語を丁寧にたどっていくと、この暴力的な現代社会を生きるための道が照らし出されるはずです。

2023年1月~3月にNHKラジオ第1「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送された同名の講座、待望の書籍化!

目次
第一章:試練の歴史と作家のまなざし――パク・ミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』
第二章:ある女性が〈ひとり〉になるまでの物語――チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』
第三章:性暴力を「信じてもらえない語り」で描く――カン・ファギル『別の人』
第四章:「普通」の限界、クィア文学が開けた風穴――パク・サンヨン『大都会の愛し方』
第五章:経済優先社会で行き場を失う労働者――孔枝泳『椅子取りゲーム』
第六章:植民地支配下、声を上げる女たちの系譜――パク・ソリョン『滞空女 屋根の上のモダンガール』
第七章:民主化運動、忘却に静かに抗う――キム・スム『Lの運動靴』
第八章:セウォル号沈没事件・キャンドル革命と〈弱者〉――ファン・ジョンウン『ディディの傘』
第九章:「子どもが親を選べたら」少子化が生んだ想像力――イ・ヒヨン『ペイント』
第十章:社会の周縁から人間の本質を問う――キム・ヘジン『中央駅』
第十一章:あり得たかもしれない、ハッピーエンドの物語――チョン・セラン『シソンから、』
第十二章:高齢女性の殺し屋が問いかける〈弱さ〉――ク・ビョンモ『破果』
第十三章:弱くある自由を叫ぶ――チョ・ナムジュ『私たちが記したもの』
〈弱さ〉から始まる未来を想像する――あとがきにかえて


小山内 園子(著)
韓日翻訳家、社会福祉士。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学校などで韓国語を学ぶ。訳書にク・ビョンモ『破果』『破砕』(岩波書店)、チョ・ナムジュ『耳をすませば』(筑摩書房)、『私たちが記したもの』(すんみとの共訳、筑摩書房)、カン・ファギル『大仏ホテルの幽霊』(白水社)、イ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』『失われた賃金を求めて』(すんみとの共訳、タバブックス)などがある。

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